グランプラス
ベルギーの首都ブリュッセルには位置する世界一美しい広場と称されるグランプラス。
1998年に世界遺産に登録されたこの広場では2年に1度、偶数年の夏に広場が花で埋め尽くされた【ブリュッセルのフラワーカーペット】が開催されます。
フラワーカーペット
1971年に本格始動したフラワーカーペット。
その年によりテーマが定められていて、趣向が凝らされています。
このフラワーカーペットでも使用されるベゴニアの花は、ゲント周辺で年間6000万株が栽培さています。

早朝から夕方まで花の敷き詰め作業が行われ、空高く打ち上げられる花火が完成の合図。
テーマに沿った音楽が流れ、夜になると音と光のショーで美しく輝きます。
完成してから3日間ほどしか見ることができません。

それでは歴代のテーマの軌跡を辿っていきましょう。
歴代のテーマ
1971年:アラベスク
始まりは1950年代。
ゲントの園芸学校の卒業生が作り始めたフラワーカーペットはベルギー各地で披露され、1971年に始めてグランプラスで開催されました。
1976年:公園
前年度と似たデザインだが公園、庭園そして景観が表現された。
1979年:”Brucocsella”のミレニアム
ブリュッセル市の守護聖人、大聖堂聖ミカエルはブリュッセル語源となったラテン語名 “Bruoscella”をもつ。
1000年に渡り守り続け、その事を記念し祝われた。
1980年:ベルギー150年祭
ベルギーの150周年記念しベルギーの紋章がデザインされた。
1986年:ブリュッセルの紋章
それまで定期的ではなかったフラワーカーペットが偶数年に開催していく事が決定された年。
ブリュッセル市の紋章がモチーフ。
1988年:中国の新彊のウィグル地区
ウィグル地区にインスピレーションを受けたデザイン。
1990年:モーツァルト
モーツァルトを記念してデザインされた。
1992年:ヨーロッパの首都、ブリュッセル
ヨーロッパの首都、ブリュッセル市を表し欧州の加盟国の12の旗が2つの大きな国旗にが金色の鎖でつながったデザイン。
そして1992年がアメリカの発見500周年の年でもあったことから、カーペットの中心にある巨大な船のコンパスが象徴としてデザインされた。
1994年:開放50周年記念
ブリュッセルが解放され50周年を記念したもの。
1996年:フランス風庭園
フランドルのルネッサンスにインスピレーションを得てデザインされた。
1998年:トルコ北東部の手工芸からのインスピレーション
トルコの北東に住んでいる半遊牧民族の華やかな幾何学的デザインがモチーフ。
2000年:ブリュッセルのレース
ベルギー特産のレース編みがモチーフ。
2002年:ヴェルサイユ
ヴェルサイユ宮殿の庭園がモチーフ。
2004年:アール・ヌーヴォー
ベコニアの花で光り輝くステンドグラスの模様が表現された。
2006年:中世
中世の錬金術がモチーフで幾何学模様、星型が組み合わされたデザイン。

2008年:サヴォネリーカーペット
有名な18世紀のフランスのタペストリーがモチーフ。
中心部の十字架は聖書に出てくる宇宙平衡、復活、新約聖書がモチーフ。

2010年:ヨーロッパ
2010年の後期、ベルギーがEU議長国を記念したもの。
ブリュッセル市守護聖人聖ミカエル、ブリュッセル市のシンボルアイリスの花、EUのロゴ、などのモチーフがデザインされた。デザイナーは23才のベルギー人であるAntoine Durieux。

2012年:アフリカ大陸
色彩豊かで多様性に溢れたアフリカ各地の伝統的なパターンが表現された。

2014年:トルコ
ベルギーでトルコの移民を受け入れ始め50年目にあたり、二つの文化の関係を祝したデザイン。

2016年:日本
ベルギーと日本の友好150年を記念し「花鳥風月」がモチーフとなった。

2018年:メキシコ
同じく世界遺産にグアナフアトとその中にある人口6万ほどのウリアンガートという街テーマ。
太陽が登る場所という意味を持つウリアンガートにちなみ中心には太陽が大きくデザインされた。

2020年
次回開催の2020年はどのようなテーマ、モチーフになるのでしょう。
見れるのは2年間のうちたったの3日のみ。
8月の半ばに開催されるこの祭典にあわせて2020年ブリュッセルへ訪れてみてはいかがでしょうか。

アクセス
Grand Place
Access:La Grand-Place, Brussels