世界で最も美しい地下鉄の駅
2008年に完成した「美麗島駅」は高雄市地下鉄(MRT)の東西を走る橘線(オレンジ)と南北をつなぐ紅線(赤)が交差する乗り換え駅。
この高雄の美麗島駅には見逃すことのできない、見逃したくない風景があります。
改札を出るとドーム型の4500枚のステンドグラスが光り輝きます。
それは世界も認める美しさで、アメリカのトラベルサイトで2012年「世界で最も美しい地下鉄の駅」2位、2014年アメリカの旅行雑誌CNNトラベルで、アジア一位に輝きました。
この美麗島(メイリーダオ)という名前は、台湾の別称であるフォルモサ(Formosa/福爾摩沙)の意訳である「美麗島」からきています。
日本語の放送では「びれいとう」や「びれいじま」と読み方が定まっていません。
まず、なぜこの駅が「美麗島」と名付けられたのか。歴史的背景とともにご紹介していきます。
美麗島事件
この駅舎の名称は1979年の世界人権デーに高雄市で台湾社会における政治、文化がを震撼させた民主化運動「美麗島事件」が由来しています。
雑誌「美麗島」主催のデモ活動により、集まった市民らが警官と衝突し関係者などが投獄され、軍事会議にかけられた全員が叛乱罪で有罪判決を受けることなり、のちの台湾の民主化に大きな影響を与え今日の議会制民主主義や台湾本土化へと繋がった事件です。
この事件の軍法会議で審理された8人の内、呂秀蓮は副総統に、姚嘉文は考試院長に、林義雄は民進党主席、張俊宏は立法委員、陳菊は高雄市長(現総統府秘書長)を務め、民主進歩党内で大きな影響力を持ちました。
フォルモサ
雑誌「美麗島」の由来でもある「フォルモサ」の語源はポルトガル語とラテン語で「美しい」という意味。
16世紀のポルトガル人が航海時に台湾を見つけたと時に「Ilha formosa!(美しい島!)」と歓声を上げ、海図にフォルモサを島を名前として書き込んだのが由来とされています。
(Ilha=島/formosa=美しい)
漢字の「福爾摩沙」というのは中国語の当て字で、中国語読みで「フゥアーモシャ」。
美しい島という言葉を中国語にすると「美麗島」になります。

また、台湾以外にもフォルモサは存在しまします。
ポルトガル人が航海師は美しい場所を発見する度に「Fuermosha」と地図に書き込み、現在でもフォルモサと呼ばる土地はブラジルやアルゼンチンをはじめ5つの大陸に広がっています。
その内アルゼンチン北部のフォルモサは面積は72,000 km2で最大面積。アルゼンチンの首都でもあります。
美麗島駅
「美麗島事件」はまさに駅の目の前の交差点で起き、のちの2008年に駅が開業し、その事件を元に駅舎が名付けられました。
「愛と寛容」をテーマに駅舎のコンコース天井に施されたドーム状のステンドグラスは、イタリアのステンドグラスアーティスト・ナルシサス・クアグリアータ(水仙大師)氏による祈りを表現した「光之穹頂(The Dome of Light)」と題した作品です。
美麗島の改札を出て見上げた瞬間心拍数はあがり、不思議な感覚に包まれます。
それぞれに水、土、光、火の4つの領域に分かれ、時計回りに宇宙の誕生、成長、栄光、破壊が4,500もの枚ものステンドグラスにより表現されています。
水 – 生命の起源
土-繁栄と成長

光-創造と確信

火-破壊と再生

中心の大きな赤と青の二本の柱。
青は「陰」、赤は「陽」でを表し、世界はこの陰と陽の調和によって形成され、世界を支えていいるのです。
駅舎の外観は折り畳まれた手と敬虔な祈りを表現されています。
手がけたのは日本人の建築家高松伸。
800枚の異なる形のガラスを組み合わせて造られており、光の加減で異なる表情を見せます。
永遠の自由と愛そして平和への祈りが高雄のランドマークになるようにと、祈りが込められています。

光のショー
光のショーは一日3回11:00/15:00/20:00に行われています。
週末の金曜日は19:00、そして土日は17:00と19:00にも行われているので、その時間に合わせ訪ねてみてください。
ステンドグラス全体の色が幻想的に変わる光のショーは、見るものを魅了させます。
訪ねてみて
ステンドグラスに込められた哲学的な意味を解釈しながら見るとより深い美しさを感じる事ができます。
不安と興奮が閉じ込められたステンドグラスの光と色は、眺めているとまるで祈りのように安堵と平穏がもたらされるでしょう。
点灯は深夜12:30まで。12時頃に訪れるとほとんど人がおらず沈黙なか美しい迫力ある光景を目と写真に収める事ができます。
台北からは新幹線で1時間半で行く事ができる高雄。ぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
スポット情報
美麗島駅
Access:高雄市新興区中山一路115號
MRT紅線・橘線「美麗島站」
http://www.krtco.com.tw/