国立新美術館:「ジョジョ展」(JOJO 荒木飛呂彦原画展ー冒険の波紋ー)に行って来た

国立新美術館:「ジョジョ展」(JOJO 荒木飛呂彦原画展ー冒険の波紋ー)に行って来た
         
  • 2018.12.07
  • ジョジョの原画展が国立新美術館で開催されるとのことで是が非にも伺わねばと思い奔走した。結果本開催の前のプレビューデイ初日に(ポコロコ並みの幸運で※1)訪れることができたのでその模様をお伝えしたいと思う。

    ジョジョとは

    ジョジョとは、と書きかけてジョジョについて今更説明する必要があるのだろうかと指を止める。知らない人がこの記事を読むのだろうか?否、どうせジョジョ好きしか読まないだろう。適当にそれでいて適切に「時代を超えて語られる人間賛歌クロニクルである」という半ば投げやりな説明にしておこう。そしてもうひとつ私的なことを付け加えておくならばーーどうせこれすらありふれた表現になるのだがーー私自身の人生のバイブルである。

    荒木飛呂彦について

    我が国において国立美術館で個展を開催する漫画家は史上二人目である。そして一人目が手塚治虫であるとトリビアめいたことをお伝えすればこれがどれだけすごいことがお分かりになるであろうか。
    荒木飛呂彦。この天才漫画家を形容する言葉は数多くあるがどれも的を射ているようでそれでいて全てを伝えきれない。結局私は天才漫画家としか説明できない。この様にボキャブラリーの限界を突きつける存在、それが荒木飛呂彦だ。

    会場:国立新美術館にて


    黒川紀章の設計、波打った建物が特徴的な国立新美術館である。ここは常設展を持たないためいつもなんらかの企画展が複数開催されている。しかしまさか、ここでジョジョが展示される日が来ようとは。


    同所で開催されているルーブル展の案内の隣にジョジョ展。そういえば本家ルーブル美術館で初めて展示された日本の漫画家は荒木氏であった。ルーブルを経験しているジョジョファンにとってみれば国立新美術館での開催は最早サプライズでもなんでもなく既定路線(むしろ遅いくらい)であろう。

    ジョジョ展の展示内容


    8つのテーマを持った独立したコーナーと、それらを結ぶ通路に撮影可能な「JOJO ROAD」が用意されている。それではひとつずつ紹介していこう。

    1:ジョジョクロニクル

    各部の大まかなストーリーと登場するメインキャラが1部から順を追って並んでいる。
    ポコはメインキャラ扱いだがスモーキーはいない。スージーQもいない。3部はヴァニラアイスがいない。7部ではウェカピポがいない。8部でダモカンはボスキャラ的なポジションにいる。(以上自分用メモ)

    2:宿命の星 因縁の地

    各部の主人公といわゆるボスの原画を対比的に向き合うように展示されている。
    また中央部には各キャラクターの名台詞の書かれた巨大な垂れ幕が交互に配置されている。このフォントサイズでその台詞言うか、カーズ。

    3:スタンド使いはひかれ合う

    3部から始まり8部まで各部のスタンドが勢揃いしているエリア。オエコモバのスタンド名※2が異彩を放つ。
    【コラボ:JOJO × 彫刻】 中央には彫刻家小谷元彦氏の彫刻がコラボレーションとして展示されており、ジョジョの「奇妙な」空間を具現化してくれている。

    4:JOJO’s Design

    ファッションやデザインに焦点を絞ったカラー原画が並ぶ。
    【コラボ:JOJO × ファッション】 奥には森永邦彦氏とのコラボレーションによって真っ白なジョジョ立ち風マネキンにプロジェクションマッピングの要領でスタンドの絵柄が重なるという作品が展示されている。荒木氏の描くスタンドはテキスタイルにもなってしまうのか。

    5:ハイ・ヴォルテージ

    ここでは各部クライマックスのバトルシーンの原画がそれぞれ数ページに渡って展示されている。物語を知っている者にとっては胸熱の連続だが未読の者にとっては盛大なネタバレである。
    かといってここをスルーしろというのは酷な話だからせめて7部までは全部読んでくるべし。

    6:映像展示 AURA<アウラ>

    【コラボ:JOJO × 映像】 ビジュアルデザインスタジオである「WOW」による映像作品。
    アウラとは哲学用語で「美しき仮象」などという意味であり、数分の映像では主人公たちのスタンドがモチーフとなる素材から発生する様子が音と共に上映される。
    タスクアクト4の異様な存在感は必見だ。

    7:新作大型原画ゾーン

    完全新作であり、12枚セットで壁一面を覆い尽くす巨大な絵画「裏切り者は常にいる」が展示されている。
    12枚、12人という数はダヴィンチの「最後の晩餐」より着想を得ており、だとするとタイトルにある「裏切り者」はユダを指すというのは想像に難くない。新旧の、年代や部を超えたジョジョの登場人物たちが描かれたこの群像の中で一体誰が裏切り者なのか…それは実際に見に行って考えてみるといいだろう。

    8:ジョジョリロン

    ジョジョリロン=ジョジョ理論。荒木氏がジョジョを書く上でのセオリーや信条などがテキストをふんだんに使用し説明されるコーナーだ。つまり漫画のレシピと心構えを惜しげも無く披露してしまっている。
    やり方を教えたところで誰もが真似はできるわけではないんだよな、と改めてジョジョの孤高さを再確認させられてしまう。

    JOJO ROAD(Photo spot)


    この通路一帯と壁面に並べられた巨大絵のみが撮影可能である。

    巨大でカラフルなジョジョ絵を背景にジョジョ立ちをして撮影することも可能だ。
    私はというとブチャラティチーム一行と共に記念撮影を行なった。その日着て行ったTシャツはシアーハートアタックだったので※34部と5部のコラボである。

    注意事項としては、あくまで撮影して良いのはJOJO ROADのみであるということだ。しかも壁面を向けた撮影しか許されていない。振り向いて他の展示を写してはいけないのだ。ーーおわかりだろうか?ここは「JOJO ROAD」とは言っているが実は「振り向いてはいけない小道」※4なのだ。

    ショップ・グッズ

    今回数多くのグッズが販売されることになる。
    実物はショーケースの中に展示されそれを見て注文表に欲しい数を記入し物販に並ぶ仕組みだ。


    豊富なラインナップだが、数には限りがあるので売り切れる前に是非足を運んで購入されたし。

    最後に

    今更言うまでもないがジョジョは美術館との親和性が高い。そんなことを行ったらファッションにもとか音楽にもとか映画にもとかとにかく色んなものに親和性高いじゃねーかと言われそうだが全部そうなのだからしょうがない。
    国立の美術館で見るジョジョ。行かない選択肢があるだろうか?ーーいささか愚問過ぎたか。やれやれだぜ。


    [プレビューデイの来場記念証]

    国立新美術館:JOJO 荒木飛呂彦原画展ー冒険の波紋ー概要

    展覧会名
    ∟荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋
    会期
    ∟2018.8.24(金)~2018.10.1(月)
    ∟※プレビューデイ: 2018.8.22(水)、8.23(木)
    休館日
    ∟毎週火曜日
    開館時間
    ∟10:00~18:00(毎週金・土曜日は21:00まで)
    ∟※最終入場は閉館の30分前まで
    会場
    ∟国立新美術館 企画展示室2E
    ∟〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
    主催
    ∟国立新美術館、集英社
    協賛
    ∟NTTドコモ、大日本印刷、ローソンチケット
    協力
    ∟NTTコミュニケーションズ、
    ∟日立コンシューマ・マーケティング
    お問い合わせ
    ∟03-5777-8600(ハローダイヤル)
    ∟※開催内容は予告なく変更になる場合がございます。
    アクセス
    ∟東京メトロ千代田線乃木坂駅
青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
    ∟東京メトロ日比谷線六本木駅
4a出口から徒歩約5分
    ∟都営地下鉄大江戸線六本木駅
7出口から徒歩約4分

     

    ※1 彼のスタンド「ヘイ・ヤア」の能力は「幸運を起こす」ではなくただの「励ます」だと知った時の驚きといったらもう。
    ※2 スタンド名は「ボクのリズムを聴いてくれ」である。えっ?てなる。それが名前なん?
    ※3 天敵であるエコーズアクト3に遭遇しないことを願ってた
    ※4 カツアゲロードといいジョジョにはなぜ不思議な道が登場するんだろうか

    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう

    国内カテゴリの最新記事