1000を超える世界遺産の中で、個人の名がついた希少なスペインを代表する建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)。
その生涯で手がけた作品の内3件が1984年に「バルセロナのグエル公園、グエル邸、カサ・ミラ」として世界遺産文化遺産に登録されました。
その後12件の作品を加えて2005年に拡大申請されましたが追加登録されたのは4件のみ。
現在は合計7件が「アントニ・ガウディの作品群」として登録されいます。
登録基準は以下の通り。
Ⅰ:人類の創造的才能を表現する傑作
Ⅱ:ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの
Ⅳ:人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例
それではガウディが手がけ人類共通の遺産であると認められた7件の建築作品を作成年順にご紹介していきます。
カサ・ビセンス
Casa Vicens(1883-1885年)
処女作として知られるカサ・ビセンスを設計したのは、ガウディ31歳の時のこと。
レンガ、タイル製作工場の社長であったマヌエル・ビセンス氏の夏の別荘として作られたが、彼の死後個人に買い取られ最近まで一般公開はされていませんでした。
しかし2017年秋より100年以上の時を経て公開される事になり、現在は内部見学ができます。
一般的に知られるガウディ建築の様式とは異なりムディハル様式を模したデザイン。
これは、ガウディ自身が以前から最初の作品はムデハル様式で造ると決めていた為でした。
直線的な鮮やかなタイルを貼り付けた美しい造形の外壁が印象的。
しかし内部はガウディらしい自然からインスピレーションを受けた天井や壁を見る事ができます。
アクセス
住所:Carrer de les Carolines, 18 – 24, Barcelona
開館:10:00-20:00(最終入館19:00)
閉館日:12月25日/1月1、6日
入館料:
一般:16,00ユーロ
学生25歳まで : 14,00ユーロ
66歳以:14,00ユーロ
7~18歳:14,00ユーロ
7歳未満:無料
アクセス:メトロ L3 Fontana(フォンタナ)駅 徒歩4分
グエル邸
Palau Guell(1886年-1890)
ガウディ初期の最高傑作として知られるグエル邸を設計したのは、ガウディが34歳の時。
エウセビ・グエルとの出会いは、ガウディが26歳の時にパリの博覧会に出品したのがきっかけでした。
そしてガウディの才能を見込んだグエル氏は、生涯のガウディの親友そしてパトロンとしてガウディを支え続けたのです。
ガウディは詩人ゲーテの「自然に直線は存在しない」という言葉にヒントを得て、放射線型アーチのデザインを取り入れる実験を重ねグエル邸の設計を完成させました。
これが世に絶賛され、ガウディの名はバルセロナ中の富豪に知られる事になり設計の依頼が続々と舞い込むようになったのです。
クラシカルで重厚感漂う内部とは異なり、煙突が特徴的なポップな屋上。
20本ある煙突のうち、レンガ製が1886に完成されたもので、トレンカディス(破砕タイルガラス)のカラフルな煙突は後年に修復されました。
アクセス
住所:Carrer Nou de la Rambla, 3 – 5, Barcelona
開館:
4/1-10/31:10:00-20:00
11/1-3/31:10:00-17:30
閉館日:月曜/1月1日,6日/1月16日-23日/12月25日,26日
入館料:
一般:12,00ユーロ
学生 : 9,00ユーロ
10-17歳:5,00ユーロ
9歳未満:無料
アクセス:メトロ L3 Liceu(リセウ)駅 徒歩3分
http://palauguell.cat/come-palace-japanese
グエル公園
Park Guell(1900-1914)
ガウディとグエルの夢が詰まった庭園都市はガウディ48歳の頃の設計。
バルセロナでは工業化が急速に進む時代の中で、ガウディとグエルはこの場所に人々が自然と芸術に囲まれて暮らせる都市計画を実行に移そうとしていました。
バルセロナ郊外、モンターニャ・ペラダの丘の自然の中に60棟ほどの分譲住宅を含み、更に教会や市場も併設するという壮大な計画。
しかし、あまりにも奇抜で最先端な感性とデザインは人々に理解される事なく進みました。
結局完成後にこの庭園の家を購入したのはガウディとグエルのみだったのです。
そして1918年にグエルはこのガウディが手がけた公園内の邸宅で息を引き取りました。
後の1984年に市が購入して公園として一般公開されました。
波のような曲線美や、タイル装飾を施したオブジェの数々。
公園内はガウディの独特の世界観が広がっています。
アクセス
住所:Carrer d’Olot, s/n, Barcelona
開館:
1月1日-3月28日:8:30-18:15
3月29日-5月3日: 8:00-20:00
5月4日-9月6日:8:00-21:30
9月7日-10月24日: 8:00-20:00
10月25日-12月31日: 8:30-18:15
(最終入場1時間前)
閉館日:なし
入館料:無料エリアあり
一般:8,50ユーロ
7-12歳:6,00ユーロ
66歳以上:6,00ユーロ
7歳未満:無料
アクセス:メトロ L3 Lesseps(レセップス)駅 徒歩18分
http://www.parkguell.cat
カサ・バトリョ
Casa Batllo(1904-1906)
1877年に建設されたシンプルな建物の改装を依頼され着工に取り掛かったのはガウディ54歳のこと。
この改築でガウディは、各部屋に特徴的な曲線デザインを施しました。
また青や白のタイルやステンドグラスの装飾は、海底にいるかのような、或いは空の中にいるかのよう。
バルコニーは頭蓋骨のような形、そして柱はまるで人骨。

「彼が狂人なのか天才なのかはわからない、時が明らかにするだろう」と言われたガウディのデザインの真髄とも言えます。
完成後人々から「骨の家」「あくびの家」というユニークなあだ名がつけられ評判となりました。

カサ・バトリョは曲線を特徴とするモデルニスモの顕著な作例と見なされ世界遺産登録に認められました。
アクセス
住所:Passeig de Gràcia, 43, Barcelona
開館:9:00-21:00
(最終入場1時間前)
閉館日:なし
入館料:オンラインで事前購入の場合4.50ユーロ安くなります。
一般:29,00ユーロ
学生:25,00ユーロ
7-18歳:25,00ユーロ
65歳以上:25,00ユーロ
6歳未満:無料
アクセス:メトロ L2 / L3 L4 – Passeig de Gràciaパセオ・デ・グラシア)駅 徒歩2分
https://www.casabatllo.es
カサ・ミラ
Casa Mila(1906-1910)
この奇妙な巨大な集合住宅を手がけたのはガウディ54歳のこと。
実業家のペレ・ミラとその妻ルゼー・セギモンの邸宅として建設されました。
直線の部分が一切ないコンクリートが波を打つような曲線が特徴的な外観は、地中海を表現しています。
現代でこそ芸術性の高い建造物として世界に認められていますが、当時のバルセロナ市民はカサ・ミラは醜悪な建物と考え、「石切場(ラ・ペドレラ)」というニックネームをつけました。
その為借り手が見つからなく、家賃は3世代に渡って値上げなしという理由から現在でも家賃は約15万円。4世帯が居住しています。
アクセス
住所:Provenca 261-265, 08008 Barcelona
開館:
1/1-3/2 :9:00-18:00
3/3-11/1:9:00-20:30
11/2- 12/31:9:00-18:30
(最終入場30分前)
閉館日:1月9日-15日/12月25日
入館料:
一般:22,00ユーロ
学生:16,50ユーロ
7-12歳:11,00ユーロ
6歳未満:無料
優先入場:29,00ユーロ
ナイトツアー:34,00ユーロ
アクセス:メトロ L3 / L5 – Diagonal(ディアゴナル)駅 徒歩2分
https://www.casabatllo.es
コロニア・グエル地下礼拝堂
Claudi Guell (1908-1914 中断)
ガウディが建築を中断したことでも有名なこの場所を手がけたのは、ガウディ56歳のときのこと。
聖なる山・モンセラートのような放射線型の構造を再現するため、実験的が重ねられ1908年に一通りの実験で得た結果を元に着工されました。

しかしガウディは1914年にはサグラダファミリア以外の仕事を全部断ってしまったので、建設は中断され完成したのは半地下だけでした。
その為世界遺産に登録されているのは地下礼拝堂のみとなります。
その後1916年に建設は完全に中断し、1955年から教区教会堂となりましたが今でも上層は未完成です。

アクセス
住所:Carrer Claudi Güell, s/n, Colònia Güell, Santa Coloma de Cervelló
開館:
冬季:平日10:00-17:00/ 週末と祝日 10:00-15:00
夏季:平日10:00-19:00/ 週末と祝日10:00-15:00
日曜・祝日11:00-はミサの時間のため内部見学不可
閉館日:1月1日、1月6日、シュロの主日(聖枝祭)、 聖金曜日、12月25日、12月26日
入館料:
一般:7,00ユーロ
学生:5,50ユーロ
シニア:5,50ユーロ
アクセス:FGC – Colònia Güell(コロニア・グエル)駅 徒歩6分
http://www.gaudicoloniaguell.org
サグラダ・ファミリア教会
Sagrada Familia(1883-)
1883年に「サグラダ・ファミリア」の主任建築士に大抜擢されたのはガウディ31歳のこと。
着工されたのはその前年、ガウディは2代目の主任者になります。
当時のガウディは無神論者を貫いていました。
カトリック信者ではないにも関わらず、カトリック教会の建築を任されたことになります。
しかし、サグラダ・ファミリア教会を手がける中、ガウディは神父トーラスとの親交の中で徐々にキリスト教世界にのめり込み、気がつけば毎日聖書を読み、1894年の復活祭を前にした時期に、ガウディは40日間の断食と祈りの修行を行う事を決意し、決行。
断食中に瀕死状態になりながらも断食を中断しないガウディに神父トーラスは「聖堂建築こそが貴方の天命だ」と告げ断食をやめさせました。
そして、生死をさまよう彼はその時、はっきりと神への愛を感じた事をきっかけに1914年以降、全ての建築依頼を断りその命が尽きるまでサグラダ・ファミリアの建築に全精力を注ぎました。
ガウディの死後、設計図をあまり描いてなかった事など建設続行は困難なように思われました。
しかしバルセロ市民の強い希望もあり、ガウディの思い描いたイメージを推測しながら建設作業が続けられることになりました。
当時完成には300年かかると言われていましたが、現代の技術の発展のためガウディ没後100周年目の2026年には完成するとされています。
世界遺産に未完成のまま登録され、登録範囲は生誕のファサードと地下聖堂のみとなり、受難のファサードは範囲に含まれません。
アクセス
住所:Carrer de Mallorca 401 08013 Barcelona
開館:
11月-2月: 9:00-18:00
3月-10月:9:00-19:00
4月-9月::9:00-20:00
1月1日、1月6日、12月25日、12月26日:9:00-14:00
礼拝堂:月曜-土曜:9:00-10:00・18:00-21:00
日祝日: 9:00-14:00・18:00-21:00
閉館日:1月1日、1月6日、シュロの主日(聖枝祭)、 聖金曜日、12月25日、12月26日
入館料:
聖堂のみ:14,80ユーロ
聖堂+タワー:19,30ユーロ
アクセス: L2 / L5 – Sagrada Família駅(サグラダファミリア)駅 徒歩2分
http://www.sagradafamilia.org/